受注後・顧客深耕
利用状況からアップセル・クロスセル機会を検知する
既存顧客のSFA/CRMの利用状況と、自社のアップセル・クロスセルメニューを突き合わせ、追加提案の機会をAIで検知するプロンプトです。利用シグナルを根拠に機会を仕分けし、事実と推測を分けて優先度をつけます。

必要データと準備
必要なのは2つです。
- SFA/CRMの利用状況・契約データ: 契約プラン・金額・契約更新日・契約人数に加え、機能別の利用状況、ログイン率、契約と実利用の人数、サポート問い合わせ履歴など、顧客の使われ方が分かるデータをエクスポートして貼ります。利用状況はプロダクトの利用ログやカスタマーサクセスツールから、契約情報はSFA/CRMから取り、突き合わせて貼るほど機会の解像度が上がります。
- 自社のアップセル・クロスセルメニューの社内資料: 上位プラン・オプション機能・追加ライセンス・クロスセル製品と、それぞれの価格・提案条件・申込時期をまとめた社内資料を貼ります。この資料が「どの機会に、どのメニューを当てられるか」の対応表になります。
プロンプト本文
あなたは既存顧客の利用状況からアップセル・クロスセルの機会を検知する、カスタマーサクセス/営業支援アナリストです。
以下の「SFA/CRMの利用状況・契約データ」と「自社のアップセル・クロスセルメニューの社内資料」を突き合わせ、追加提案につながる機会を検知し、根拠と時期をそえて優先度をつけてください。データと社内資料に書かれていることだけを根拠にし、書かれていないことは推測と明記するか「要確認」としてください。
## SFA/CRMの利用状況・契約データ
{契約プラン・金額・契約更新日・契約人数、機能別の利用状況、ログイン率、契約と実利用の乖離、サポート問い合わせ履歴など、顧客の利用データをここに貼り付け}
## 自社のアップセル・クロスセルメニューの社内資料
{上位プラン・オプション機能・追加ライセンス・クロスセル製品と、それぞれの価格・提案条件・申込時期の社内資料をここに貼り付け}
## 顧客の背景・最近のやり取り(任意。不明は「不明」)
{担当者・最近の要望・体制変更・過去に断られた提案など、分かる範囲で記入}
## 出力フォーマット
1. 顧客サマリー
契約プラン・契約更新の時期・全体の利用健全度を、データにあるものだけ記載
2. アップセル・クロスセル機会の検知(表形式)
「機会/根拠となる利用シグナル(事実・データの該当箇所)/該当する自社メニュー/時期の目安/確度(高・中・低)」。根拠のシグナルは短く引用し、推測が入る場合は「推測」と明記する
3. 優先度の整理
フィット(顧客の課題と合うか)×タイミング(今か・時期尚早か)×契約更新との近さで機会を並べ替える。判断の根拠を一言そえる。数値化する場合も、相対的な優先度の目安であって受注確度や売上の予測ではないと明記する
4. 今アプローチすべきトップ機会 と、時期尚早・避けるべき機会
なぜ今か/なぜ今ではないかを、シグナルにひもづけて記載する
5. 次アクション案
CSが取る最初の一手を機会ごとに1つ。相手に確認すべきことと、社内で確認すべきことを分ける
6. 要確認・データ不足の事項
判断の根拠が薄い箇所、データ同士が食い違う箇所を明示する
## 注意事項
- SFA/CRMのデータと社内資料に書かれた事実だけを根拠にする。利用実態・顧客の意欲を、データにない形で創作しない
- 事実(データの数値・記録・問い合わせ内容)と、そこからの推測(拡大意欲・裏にある課題)を必ず分ける。推測には「推測」を付し、根拠のデータを短く示す
- 価格・提案金額は社内資料にあるものだけを使う。社内資料に無い値引きや金額を創作しない。値が無いものは「要確認」とする
- スコア・優先度は相対的な目安であって、受注確度や売上金額の予測ではない。断定しない
- 利用が低いことは、アップセルの余地ではなく定着のつまずき・解約リスクのサインである場合がある。両者を混同せず、低利用は「要確認」として切り分ける
- 顧客が過去に断った/関心を示さなかった項目を、機会として無理に積み増さない(背景に記載がある場合)
- 契約人数とデータ上の利用人数など、数値が食い違う箇所は、どちらかに寄せず両方を示して「要確認」とする
- この分析を外部の生成AIで行う場合、顧客の契約情報・利用データ・個人情報が含まれる。社外持ち出し・情報の扱いに注意するこのプロンプトを動かしてみる
プリセットされた依頼のまま「送信」を押すと、AIの応答がその場でストリーミング表示されます(架空データに対する収録済みの応答。生成AIは呼び出しません)。
AIに渡した入力データ(架空サンプル)
1. 顧客サマリー
- プラン: スタンダード(対象200名・1人月400円)、月額96,000円・年間契約。
- 契約更新: 2027-07-10(残り約5ヶ月)。
- 利用健全度: 打刻98%・管理部ログイン95%で中核機能は定着。一方、工数管理はほぼ未使用。契約200名に対し実利用232アカウント(32名分が契約超過の可能性・要確認)。
2. アップセル・クロスセル機会の検知
機会 | 根拠シグナル(事実) | 該当メニュー | 時期の目安 | 確度 |
|---|---|---|---|---|
追加ライセンス | 実利用232/契約200。「32名分が契約超過の可能性」 | 追加ライセンス(1人月400円) | 早め(超過が続くと未計上) | 高(乖離は明確。232が重複や退職者を含まない実人数かは要確認) |
年末調整の電子化 | 田中氏「年末調整を今も紙で…来年はなんとかしたい」 | 年末調整オプション(+1人月80円) | 9月末申込推奨。2/20MTGで方向づけ | 中〜高(明確な困りごとの発言あり。予算・決裁は未確認) |
入退社手続きの電子化 | 田中氏「入社手続きの書類作成に毎回時間がかかる。電子化はできないか」 | 労務手続き電子申請オプション(+1人月100円) | 早め(本人が課題を明言) | 中(課題は明確、月あたり件数は未確認) |
プレミアム移行(工数管理) | 工数管理はほぼ未使用(3ヶ月で2回試用) | プレミアムプラン(1人月600円) | 時期尚早 | 低(標準の工数管理が未使用。上位版の前に定着が先) |
給与計算クロスセル | 既存はペイロールデスク連携で稼働中。乗り換え言及なし | ペイロールメイト | 現時点で機会と断定できない | 低(乗り換え前提で判断が重く、相手の意向データなし・要ヒアリング) |
続きを見る(優先度・トップ機会・次アクション・要確認)
3. 優先度の整理(相対的な目安。受注確度や金額の予測ではない)
- 年末調整オプション:顧客の明確な困りごと × 9月申込という締め切り × 次回2/20で切り出せる。フィット・タイミングともに高い。
- 追加ライセンス:データ上の乖離が明確でフィット高。ただし232の内訳確認が前提。金額影響は小さめ。
- 労務手続き電子申請:課題は明言されているが締め切り要因が弱く、年末調整の話と一緒に整理するのが自然。
- 時期尚早: プレミアム(工数管理):低利用は定着課題であり、アップセルではなく活用支援が先。
4. 今アプローチすべきトップ機会/時期尚早な機会
- 今: 年末調整オプション。2/20の活用レポートMTGで「紙で大変だった」の発言を起点に、電子化の選択肢として自然に切り出せる。9月末申込という期限が判断を後押しする。
- 今ではない: プレミアムの工数管理。標準の工数管理が未使用のまま上位版を勧めると不信につながる。まず工数管理を使う場面があるかのヒアリングと定着支援が先。給与計算クロスセルも、乗り換え意向のデータが無く現時点では機会と呼べない(要ヒアリング)。
5. 次アクション案
- 年末調整オプション: 2/20MTGで「来年の年末調整をどうしたいか」を確認(相手へ)。社内で当年申込の締め切りと概算費用を用意(社内・235名想定で税抜試算、値引きはマネージャー確認)。
- 追加ライセンス: 実利用232アカウントの内訳(重複打刻・退職者の残存アカウントを含むか)をSFAで確認(社内)。実人数が超過なら追加ライセンスの手続きを案内(相手へ)。
- 労務手続き電子申請: 入退社の月あたり件数を田中氏に確認(相手へ)。件数が多ければ年末調整と合わせて提案。
6. 要確認・データ不足の事項
- 実利用232アカウントが重複・退職者を含まない実人数か(契約超過の断定はここ次第)。
- 年末調整・入退社電子化の予算枠と決裁ルート(過去は佐藤氏起案→取締役会だが今回分は未確認)。
- 各オプションの個別値引き(社内資料に率の記載なし・要マネージャー確認)。
- 工数管理を使う想定業務があるか(低利用が「不要」か「使い方が分からない」かで打ち手が変わる)。
注記: 拡大意欲・課題の深さに関する評価は問い合わせ発言からの推測を含む。金額は社内資料の定価ベースで、値引き・最終見積は未確定。232アカウントの解釈、予算・決裁、乗り換え意向は未確認のため「要確認」とした。
カスタマイズのヒント
- 自社の機会シグナルを定義する: 出力フォーマットの前に「うちで拡大の芽になりやすいシグナル(例: 契約人数超過、特定機能の高利用、問い合わせでの困りごと)」を書き添えると、その観点で優先的に拾います。
- 契約更新の時期で重みを変える: 「顧客の背景」欄に更新までの残月数を書くと、更新が近い顧客ほど機会の優先度を上げた並べ替えになります。更新提案とアップセルをまとめて設計したいときに有効です。
- チャーンリスクと同時に見る: 低利用が拡大機会でなく解約リスクのこともあります。背景欄に利用低下やサポート不満の記録を足すと、「まず定着支援が先」の判断を促せます。定着のつまずき検知(P073)やチャーン予測(P076)と組み合わせると、攻守を分けて見られます。
よくある質問
利用状況のデータがあまり揃っていなくても使えますか?
使えます。機能別の利用状況やログイン率が無くても、契約情報とサポート問い合わせ履歴だけでも機会の当たりはつきます。ただしデータが薄いほど確度は下がり、「要確認」の項目が増えます。足りない情報を創作せず「要確認」として返す設計なので、まずは手元にあるデータから試し、拾える項目を増やしていくのがおすすめです。
AIが出した機会をそのまま顧客に提案して大丈夫ですか?
社内の検討メモとして使い、提案に落とす前に人が確認してください。拡大意欲や困りごとの深さは「推測」、予算・決裁・値引きは「要確認」で返ることがあります。特にスコアや優先度は相対的な目安であって受注確度の予測ではないため、断定せず、事実確認を済ませてから提案に進める前提の出力です。
使われていない機能を上位プランで勧めるのは避けたいのですが、区別できますか?
できます。このプロンプトは、低利用を「アップセルの余地」ではなく「定着のつまずき・解約リスクのサインかもしれない」ものとして切り分け、「時期尚早」に振り分ける設計です。標準機能が未使用のまま上位版を勧める提案は「まず定着支援が先」と返します。攻めの機会と守りの定着支援を混同しないための注意事項を組み込んでいます。
