育成・営業分析
ロープレを評価しスコアカードで新人研修に活用する
新人営業のロープレの文字起こしと自社の評価基準を貼るだけで、軸ごとに採点し、根拠となった発言を引用したスコアカードに整理するプロンプトです。あら探しではなく「次回1つだけ変える行動」に絞って返すので、新人営業の研修や1on1のたたき台としてそのまま使えます。

必要データと準備
必要なのは2つです。
- ロープレの文字起こし(1件):新人が演じたロープレの会話をテキストにしたもの。オンラインで実施したロープレの録音を自動文字起こしにかけて全文を貼るのが手軽です。話者ラベル(新人役/顧客役)が付いていると、誰の発言かを踏まえた評価になり精度が上がります。対面ロープレでも、録音か、やり取りを書き起こしたメモがあれば動きます。
- 自社の評価基準・トークの型(社内資料):ロープレを採点するときの観点・配点、必ず押さえてほしい型(例: 価格は課題を握ってから出す)、やってはいけないこと(例: 製品説明から入らない)などをまとめたものです。研修資料やチェックシートがあればそのまま貼ってください。ない場合は空欄でよく、標準の評価軸で採点します。
自社の基準を貼るほど、採点が自社の型に沿い、トレーナー間のばらつきが減ります。文字起こしの取り方は、商談文字起こしの共通ガイドも参照してください。
プロンプト本文
あなたは新人営業のロープレを評価する営業トレーナー(イネーブルメント担当)です。
以下のロープレの文字起こしを読み、自社の評価基準に沿って採点し、スコアカードとして整理してください。文字起こしに書かれている発言だけを根拠にし、書かれていないことを「できた/できなかった」と断定しないでください。
## ロープレの文字起こし
{新人が演じたロープレの録音・録画の文字起こしをここに貼り付け。話者ラベル(新人役/顧客役)が付いているとよい}
## 自社の評価基準・トークの型(任意・あれば貼る)
{ロープレの評価軸・配点、必ず押さえてほしい型、禁止事項などをここに貼る。なければ空欄でよい。空欄の場合は下記の標準軸で評価する}
## ロープレの設定(任意)
{想定した顧客・シナリオ、新人の経験(何年目・初めてか等)。あれば評価の前提として使う}
## 出力フォーマット
1. スコアカード(評価軸ごとに次の3点を記載)
- 点数と評価: 自社基準の配点に沿った点数(基準がなければ ○できている / △一部 / ×できていない)
- 根拠: 点数の根拠となった発言を文字起こしから短く1つ引用。該当発言がない場合は「該当発言なし」と書く
- 区分: [事実](実際にあった発言・行動)/ [推測](発言からの解釈)
標準軸(自社基準の指定がない場合はこれを使う):
導入・ヒアリング姿勢 / 課題の深掘り(頻度・工数・影響まで具体化できたか)/ 価値提示(機能でなく相手の課題が解決する像で語れたか)/ 反論・停滞対応 / ネクストアクション(曖昧な同意で終えず次の具体ステップを握れたか)
2. 効いていた良かった点(続けてほしい行動を3つまで、根拠の発言つき)
3. 次回1つだけ変える行動(最も受注に効く改善を1つだけ。本人の自己改善の言葉で、行動ベースで書く)
4. 言い換え例(トーク)(上記の1点について、次にそのまま口に出せるトーク例を2〜3個。模範の一例であり唯一の正解ではない旨も添える)
## 注意事項
- 文字起こしにある発言だけを根拠にする。書かれていない場面を「できた/できなかった」と断定しない。根拠がなければ「該当発言なし」とする
- 事実(実際にあった発言・行動)と、そこからの推測・評価を必ず分け、各項目に[事実]/[推測]を付ける
- 採点は自社の評価基準(社内資料)に厳密に沿う。基準に書かれていない観点で勝手に加点・減点しない
- 曖昧な同意(顧客役の「検討します」「良ければ」等)を、新人が握れた成果と解釈しない。判断に迷う箇所は「要確認」とする
- 引用は文字起こしの原文を短く抜き出す。言い換えたり盛ったりしない
- 人格や才能ではなく、次に変えられる行動で書く。ダメ出しの羅列にせず、改善は1つに絞る
- 言い換え例は「そのまま暗記させる正解」ではなく一例であることを明記する。ロープレは練習用の架空設定であり、実在顧客の事実と混同しないこのプロンプトを動かしてみる
プリセットされた依頼のまま「送信」を押すと、AIの応答がその場でストリーミング表示されます(架空データに対する収録済みの応答。生成AIは呼び出しません)。
AIに渡した入力データ(架空サンプル)
1. スコアカード
導入・ヒアリング姿勢: 2 / 5(△一部)
- 根拠: 冒頭が「弊社のロウムメイトというサービスなんですが、勤怠と労務を一元管理できまして」と製品説明から入っている。その後「勤怠管理ってどうされていますか」と質問には移れている
- 区分: [事実](製品説明から入ったこと・途中で質問に移ったことは発言どおり)
課題の深掘り: 1 / 5(×できていない)
- 根拠: 佐藤役の「月末に給与ソフトへ手で転記していて、まあ大変ではあります」に対し、頻度・工数・誰が困っているかを一切聞かず「なるほどですね」で製品説明に移っている
- 区分: [事実](深掘りの質問が文字起こしに存在しない)
価値提示: 2 / 5(△一部)
- 根拠: 「その転記がなくなるので、すごく楽になりますよ」と効果には触れたが、相手が言った転記作業の具体像に結びつけておらず、直後に価格を提示している
- 区分: [事実](発言)/「楽になる」が相手の課題像に届いていないという評価は[推測]
続きを見る(反論対応・ネクストアクション・必須の型/良かった点/次回の1点/トーク例)
反論・停滞対応: 1 / 5(×できていない)
- 根拠: 佐藤役の「今のやり方でも一応回ってはいるからなあ」に対し、切り返しをせず「そうですよね」と同意して、そのままデモの打診に移っている
- 区分: [事実](切り返しの発言が存在しない)
ネクストアクション: 1 / 5(×できていない)
- 根拠: 佐藤役の「検討しときます」をそのまま受けて「ではまたご連絡します」で終えており、次の日程や具体ステップを握っていない。基準の禁止事項に該当
- 区分: [事実]
必須の型(価格は課題と効果を握ってから): 未達
- 根拠: 課題の深掘りや効果の合意がないまま「初期費用は20万円からで、1人あたり月400円から」と価格を先に提示している
- 区分: [事実]
2. 効いていた良かった点
- 冒頭でお礼を述べ、相手の「手短に」という要望に「すみません」と素直に反応できている(「あ、すみません」)。相手のペースに合わせる姿勢は続けてよい。[事実]
- 一方的な説明で止めず「勤怠管理ってどうされていますか」と質問に切り替えられた。入口として質問に移る動き自体は良い。[事実]
- 相手の負担に「そうですよね」と共感を示せている。共感の言葉が出ること自体は悪くない(ただし今回は共感だけで切り返しに進めていない点が課題)。[事実]
3. 次回1つだけ変える行動
今回いちばん受注に効く改善は、「大変ではあります」で止めず、そこを深掘りする質問を1つ足すことです。相手が課題を口にした直後に製品説明へ移ってしまったため、価値提示も反論対応も土台を失いました。次のロープレでは、相手が「大変」と言ったら、すぐに解決策を出さず「その転記は月にどれくらいの時間がかかっていますか」「担当は何名で回していますか」と、頻度・工数・担当者を1つでも具体化してから先へ進んでみてください。(この1点に絞り、他の項目は今回は追わなくて構いません)
4. 言い換え例(トーク)
深掘りの入口として、次のような言い方が使えます。いずれも一例で、暗記すべき正解ではありません。相手の言葉を受けて自分の言葉に直してください。
- 「月末に手で転記されているとのことですが、それは毎月どれくらいの時間がかかっていますか。担当は何名くらいで回されていますか」
- 「転記のときに、ミスが起きて後から直す、みたいなことは起きたりしますか」
- 「その作業が一番きついのは、月末のどのタイミングでしょうか。差し支えなければ具体的に教えてください」
※このロープレは練習用の架空設定です。実在の顧客の予算や事情と混同しないでください。
カスタマイズのヒント
- 自社の評価軸・配点に合わせる: 「自社の評価基準」欄に、実際の研修で使っている評価シートの軸と配点、必須の型、禁止事項を貼ると、その基準で採点します。トレーナーによって言うことが違う状態を減らしたいときに有効です。
- フェーズや役割を変える: 新人の初回アプローチだけでなく、ヒアリング特化、反論対応特化、クロージング特化など、そのロープレで鍛えたいテーマを「ロープレの設定」欄に書くと、その軸を重点的に見ます。
- 経験レベルで評価の粒度を変える: 「入社1週間・初めてのロープレ」と書けば、できていない点の指摘より、できた点と次の1歩を厚めに。「配属3ヶ月・クロージング強化中」と書けば、握りの甘さを具体的に見る、といった調整ができます。設定を書き添えるほど、フィードバックのトーンが対象者に合います。
よくある質問
自社の評価基準に沿って採点できますか?
できます。プロンプトの「自社の評価基準・トークの型」欄に、実際の研修で使っている評価軸・配点・必須の型・禁止事項を貼ってください。その基準に沿って、点数・根拠の発言・事実/推測の区分をセットで採点します。基準を空欄にすると、導入とヒアリング・課題の深掘り・価値提示・反論対応・ネクストアクションといった標準軸で評価します。
新人本人に見せても大丈夫な内容になりますか?
このプロンプトは、人格や才能ではなく次に変えられる行動で書き、改善を1つに絞るよう指示しています。ダメ出しの羅列で萎縮させない設計です。ただし出力はたたき台なので、本人に渡す前にトレーナーが目を通し、[推測]ラベルの評価は決めつけになっていないか、最優先の1点が妥当かを確認してください。
ロープレではなく実商談の録画でも使えますか?
文字起こしがあれば動きますが、このプロンプトは練習を前提にした評価軸です。実商談のフィードバックには、実案件の文脈で1点に絞る「次回1つだけ変える行動に絞ったコーチング(P091)」が向いています。また実商談の会話には顧客情報が含まれるため、外部AIに貼る前にデータの取り扱いを社内ルールで確認してください。
