稟議・クロージング
セキュリティチェックシート回答の下書きを作成する
顧客から届いたセキュリティチェックシートと、自社の情報セキュリティ社内資料を貼るだけで、設問ごとの回答下書きを作るプロンプトです。資料に根拠のない項目は空欄で埋めず「要社内確認」と書き分けるので、そのまま審査回答のたたき台に使えます。

必要データと準備
必要なのは次の2つです。
- 顧客から届いたセキュリティチェックシート:Excelやフォームで送られてくることが多いので、設問番号・カテゴリ・設問文・回答形式(選択式か自由記述か)がわかる形でテキストに起こして貼ります。
- 自社の情報セキュリティに関する社内資料:情報セキュリティポリシーの要約、認証の取得状況、データの保管と取り扱い、アクセス管理、委託先・再委託先、脆弱性対応、インシデント対応、契約終了時の手順など、回答の根拠になるものを貼ります。過去に別の顧客へ提出した回答実績があれば、それも根拠として有効です。
社内資料が手元に揃っていない場合でも、貼った範囲だけを根拠に回答し、足りない項目は[要社内確認]として返します。無理に全問を埋めさせないのがこのプロンプトの狙いです。
プロンプト本文
あなたは、顧客から届いたセキュリティチェックシート(情報セキュリティ質問票)への回答下書きを作る、自社側の担当者を補助するアシスタントです。
以下の「顧客からの質問項目」と「自社の社内資料」を読み、設問ごとに回答案を作成してください。社内資料に根拠があることだけを事実として書き、根拠が無い項目は空欄で埋めず「要社内確認」として残してください。セキュリティの回答は契約後の責任に直結するため、対応できるかどうかが資料から確定できないことを「対応済み」と書かないでください。
## 顧客からのセキュリティチェックシート(質問項目)
{顧客が送ってきたチェックシートの設問を、番号・カテゴリ・設問文・回答形式(選択式か自由記述か)がわかる形でここに貼り付け}
## 自社の社内資料(回答の根拠になるもの)
{自社の情報セキュリティポリシー要約・認証取得状況・データの保管と取り扱い・アクセス管理・委託先/再委託先・脆弱性対応・インシデント対応・契約終了時の手順・過去の回答実績など、根拠になる社内資料をここに貼り付け。無い項目は貼らなくてよい}
## 基本情報(分かる範囲で。不明は「不明」)
{自社サービス名/宛先の顧客名・審査部門/提出期限/回答者(自分)の氏名・部署/本日の日付}
## 出力フォーマット
1. 設問ごとの回答ドラフト(設問番号ごとに次の4点をセットで)
- 回答案: 顧客のチェックシートの回答欄にそのまま転記できる文。選択式(対応/一部対応/未対応/該当なし等)なら区分を選び、自由記述ならその文
- 根拠: 回答の根拠になった社内資料の該当箇所を短く引用または参照(どの資料のどの記載か)
- 確度: [確認済み](社内資料に明確な根拠あり)/ [要社内確認](資料に記載がない・古い・解釈が要る)/ [該当なし](自社サービスに当てはまらない)のいずれか。1つの設問に確認済みと要社内確認が混在する場合は分けて書く
- 補足: 条件付きの対応、注意して書くべき言い回し、審査部門・自社の誰に確認してほしいかがあれば
2. 要社内確認リスト([要社内確認]になった設問を、誰に何を確認すべきか(情シス/法務/インフラ担当など)とセットで再掲)
3. 提出前チェックメモ(回答本文の外。盛って書いていないか/未取得の認証を取得済みと書いていないか/期限・宛先など)
## 注意事項
- 社内資料に書かれていることだけを根拠にする。資料に無い体制・認証・対応可否を「できます」「対応済み」と創作しない。分からない項目は必ず [要社内確認] とする
- 事実(社内資料に明記された内容)と、推測・解釈(資料から読み取れそうな内容)を必ず分ける。迷う箇所は断定せず [要社内確認] に置く
- 認証・準拠状況は正確に書く。取得準備中のものを「取得済み」、一部対応を「対応済み」と書かない。取得予定・準備中は、その状態のまま書く
- 「対応する予定」「将来対応」を、現時点で対応済みであるかのように書かない。時期が資料にあるものだけを予定として書き、無ければ書かない
- 数値(稼働率SLA・保管期間・復旧目標など)は社内資料に出た値だけを使い、丸めたり良く見せたりしない
- 顧客のチェックシートの設問意図が読み取れないものは、勝手に解釈して答えず、[要社内確認] として設問の確認自体を宿題にする
- この回答は下書きであり、そのまま提出しない前提で作る。提出前に、情報セキュリティ・法務・インフラの担当者が内容を確認する
- チェックシートや社内資料を外部の生成AIに貼る運用は、自社のセキュリティ情報・顧客情報の社外持ち出しにあたる。社内ルールを確認したうえで扱うこのプロンプトを動かしてみる
プリセットされた依頼のまま「送信」を押すと、AIの応答がその場でストリーミング表示されます(架空データに対する収録済みの応答。生成AIは呼び出しません)。
AIに渡した入力データ(架空サンプル)
1. 設問ごとの回答ドラフト
No.1 ISO/IEC 27001(ISMS)の取得
- 回答案: 「一部対応(準備中): 現時点でISMS(ISO/IEC 27001)は未取得です。SaaS開発・運用部門を認証範囲として、2026年度中の取得を目標に準備を進めています。」
- 根拠: ポリシー要約「ISMSは2026年度中の取得を目標に準備中(現時点で認証は未取得)」
- 確度: [確認済み]
- 補足: 「取得済み」と読める書き方をしないこと。準備中である事実をそのまま書いています。取得時期を確約する表現は避けてください。
No.2 プライバシーマーク等の取得
- 回答案: 「対応: プライバシーマーク(Pマーク)を2021年に取得し、以後更新を継続しています。」
- 根拠: ポリシー要約「プライバシーマークを2021年取得、以後更新継続中」
- 確度: [確認済み]
No.5 稼働率(SLA)・復旧目標時間(RTO)
- 回答案: 「稼働率は、サービス提供約款で月間稼働率99.5%を目標として定めています。復旧目標時間(RTO)については社内で確認のうえ回答します。」
- 根拠: 可用性「約款で月間稼働率99.5%を目標として明記」。RTOは「社内文書の記載は見当たらなかった」
- 確度: 稼働率=[確認済み]/RTO=[要社内確認]
- 補足: RTOは資料に記載がありません。運用チームで別途管理している可能性があるため、断定せずインフラ運用担当に確認してから記入してください。稼働率は約款の値そのままで、良く見せる丸めはしていません。
続きを見る(No.3・4・6〜10の回答案、要社内確認リスト、提出前チェックメモ)
No.3 データ保管の国・リージョン/国外移転
- 回答案: 「本番データはクラウド基盤の国内(東京リージョン)に保管しています。海外リージョンへの保管・移転は行っていません。」
- 根拠: データ保管・バックアップ「本番データは東京リージョンに保管。海外リージョンへの保管・移転は行っていない」
- 確度: [確認済み]
No.4 バックアップの頻度・保持期間
- 回答案: 「バックアップは日次で取得し、14日間保持しています。国内の別リージョン(大阪)へ地理冗長でコピーしています(国内のみ)。」
- 根拠: 同「日次で取得し、14日間保持。別リージョン(大阪)へ地理冗長でコピー(国内のみ)」
- 確度: [確認済み]
No.6 アクセス管理・多要素認証・操作ログ
- 回答案: 「管理コンソールへのアクセスは役割ベースの権限管理(RBAC)で制御し、運用担当者の管理者ログインは多要素認証(MFA)を必須にしています。顧客データへのアクセス操作ログを取得し、1年間保管しています。」
- 根拠: アクセス管理「RBAC」「管理者ログインはMFA必須化」「操作ログを取得し1年間保管」
- 確度: [確認済み]
No.7 委託・再委託先の開示
- 回答案: 「クラウド基盤として国内リージョンの大手IaaS事業者を利用し、カスタマーサポートの一部を国内の委託先に委託しています。再委託先一覧の顧客開示可否については社内で確認のうえ回答します。」
- 根拠: 委託・再委託「大手IaaS事業者を利用(国内リージョン)」「CSの一部を国内の委託先に委託」。開示可否は「資料に明記なし(法務・契約チームの判断事項)」
- 確度: 委託の事実=[確認済み]/再委託先一覧の開示可否=[要社内確認]
- 補足: 開示可否を独断で「開示可」と書かないこと。法務・契約チームの判断事項です。
No.8 第三者による脆弱性診断・ペネトレーションテスト
- 回答案: 「四半期ごとに社内での脆弱性スキャンを実施しています。第三者によるペネトレーションテストの実施有無・直近時期については社内で確認のうえ回答します。」
- 根拠: 脆弱性対応「四半期ごとに社内でのぜい弱性スキャンを実施」。外部ペネトレーションテストは「社内資料からは確認できなかった」
- 確度: 社内スキャン=[確認済み]/外部ペネトレーションテスト=[要社内確認]
- 補足: 資料で確認できない外部テストを「実施しています」と断定しないこと。実施有無を情シス/セキュリティ担当に確認してください。
No.9 インシデント時の通知手順・通知期限(SLA)
- 回答案: 「セキュリティインシデント検知時は、社内対応フローに沿ってエスカレーションします。顧客への通知期限(時間)については社内で確認のうえ回答します。」
- 根拠: インシデント対応「社内対応フローに沿ってエスカレーション」。通知期限は「数値で定めた記載は規程からは見当たらなかった」
- 確度: 通知手順の存在=[確認済み]/通知期限の数値=[要社内確認]
- 補足: 通知期限を「◯時間以内」と勝手に埋めないこと。契約書・約款側に定めがある可能性があるため、法務に確認してください。
No.10 契約終了時のデータ返却・削除・削除証明
- 回答案: 「契約終了後、顧客データは30日以内に削除する運用としています。削除証明書の発行可否については社内で確認のうえ回答します。」
- 根拠: 契約終了時「契約終了後、顧客データは30日以内に削除する運用」。削除証明書は「発行可否についての記載は資料になし」
- 確度: 削除運用=[確認済み]/削除証明書の発行可否=[要社内確認]
2. 要社内確認リスト
- 復旧目標時間(RTO)の目標値(No.5)→ インフラ運用担当に確認
- 再委託先一覧の顧客開示可否(No.7)→ 法務・契約チームに確認
- 外部専門会社によるペネトレーションテストの実施有無・直近時期(No.8)→ 情シス/セキュリティ担当に確認
- 顧客へのインシデント通知期限(SLA)の有無と数値(No.9)→ 法務(契約書・約款の確認)
- 契約終了時の削除証明書の発行可否(No.10)→ 法務・契約チームに確認
3. 提出前チェックメモ(回答本文の外)
- No.1のISMSは未取得です。「準備中」を「取得済み」と読める書き方にしていないか、提出前に必ず読み返してください。取得時期の確約はしていません。
- 稼働率99.5%は約款記載の値そのままで、良く見せる丸めや上振れはしていません。
- [要社内確認]の5件(RTO・再委託先開示・外部ペネテスト・通知期限・削除証明)は、空欄や推測で埋めず、それぞれの担当に確認してから記入してください。現段階では「社内で確認のうえ回答」の仮置きにしています。
- 提出先=情報システム部 審査窓口、提出期限=2026-07-31。宛先・期限に誤りがないか確認してください。
- このチェックシートと自社の情報セキュリティ社内資料を外部AIに入力しています。社外持ち出しにあたるため、社内ルールを確認したうえで扱ってください。
カスタマイズのヒント
- 自社の標準回答(過去実績)を根拠に足す: 過去に別の顧客へ提出したチェックシート回答があれば、社内資料の欄にそれも貼ってください。文言の揺れを抑え、承認済みの言い回しに寄せた下書きになります。
- 業界特有の設問に備える: 金融・医療・公共など、相手業界で問われがちな項目(暗号化方式、監査ログの保存年数、業界ガイドライン準拠など)を「社内資料」に1〜2行足しておくと、その観点の設問に根拠付きで答えやすくなります。根拠がなければ従来どおり[要社内確認]に回ります。
- 回答形式を相手のシートに合わせる: 選択式(対応/一部対応/未対応)と自由記述が混在するシートでは、設問文の横に回答形式を明記して貼ると、区分の選択と補足文をセットで出します。相手のExcelにそのまま転記しやすくなります。
よくある質問
資料に載っていない項目まで無理に回答されませんか?
しません。このプロンプトは、社内資料に根拠がない項目を空欄や推測で埋めず、必ず[要社内確認]として残します。未取得の認証を「取得済み」、一部対応を「対応済み」と書くこともしません。さらに、誰に何を確認すべきか(情シス/法務/インフラ担当など)をリスト化するので、そのまま社内確認の宿題になります。
なぜ効果(削減時間)の数値を出していないのですか?
審査・法務対応のAI活用は効率化の訴求点として語られますが、その効果を独立した第三者が検証した数値はほとんど見当たらないためです。加えてこの領域は、AIが誤った回答を自信ありげに作ると契約後の実害が大きい領域です。そのため数値ではなく「事実に根拠のある回答と、社内に確認すべき宿題が仕分けされた状態から始められる」という使い勝手を価値の中心に置き、人の最終確認を前提にしています。
出力をそのまま審査部門に提出して大丈夫ですか?
下書きとして使い、提出前に必ず人が確認してください。[要社内確認]の項目は担当に確認してから記入し、認証の取得状況や数値は社内資料と突き合わせる前提です。また、チェックシートと自社の情報セキュリティ資料を外部の生成AIに貼ること自体に社内ルールが関わるため、データの取り扱い範囲を事前に確認してください。
