稟議・クロージング
稟議書・上申資料をAIで作成する
自社の提案内容とSFA/CRMの案件情報を渡すと、顧客の担当者が社内の稟議・決裁に使う上申資料(稟議書ドラフト)のたたき台を組み立てるプロンプトです。金額や効果の数値を勝手に作らず、確定した事実と前提つきの試算、要確認を切り分けるので、顧客に渡す前提で使える稟議書 AI の下書きになります。

必要データと準備
用意するのは2種類のデータです。
- 自社の提案・社内資料:製品の機能、価格表、オプション、導入サポート、(あれば)過去の導入で使った一般的な効果指標など。稟議書の「導入内容」「費用」「効果」の素になります。
- SFA/CRMの案件データ:この案件の課題、窓口・起案者、決裁者と決裁プロセス、提示済みの条件(対象範囲・金額)、競合状況など。「申請理由」「費用」「承認フロー」の素になります。
まずはSFA/CRMからエクスポートした案件情報と、提案書・価格表を貼れば、連携なしでも試せます。定常運用ではSFA・CRMや社内資料から取り込む形にできます(後述)。
プロンプト本文
あなたは、法人営業の担当者が「顧客の社内稟議を通すための上申資料(稟議書ドラフト)」を作るのを支援するアシスタントです。
自社の提案情報と、この案件のSFA/CRM情報をもとに、顧客の起案者がそのまま社内に上げられる稟議書のたたき台を作成してください。
数値と固有名詞は入力データにある確定値だけを使い、期待効果の試算は「前提つき試算」であることを必ず明示してください。
## この案件のSFA/CRM情報
{案件名・顧客企業・従業員規模・窓口/起案者・決裁者と決裁プロセス・現状の課題・提示済みの条件(対象範囲/金額)・競合状況などをここに貼り付け}
## 自社の提案・社内資料
{提案内容・製品の機能・価格表・オプション・導入サポート・(あれば)過去の導入で使った一般的な効果指標などをここに貼り付け}
## 稟議書の前提(任意)
{起案者名・宛先(取締役会など)・投資枠のタイミング・社内の稟議フォーマットの項目があればここに。なければ空欄でよい}
## 出力フォーマット
稟議書ドラフトを、次の項目立てで作成する。
1. 件名・申請概要(1〜2行)
2. 申請理由(現状の課題→導入目的。課題はSFA/CRM情報にある記述を根拠にする)
3. 導入内容(対象範囲・製品/プラン・スコープ。提示済みの条件に沿う)
4. 費用内訳(初期費用・月額・年額。入力にある確定値のみ。未提示・未確定の項目は金額を作らず「要確認」と書く)
5. 期待効果(定性の効果を主に記述する。定量を書く場合は必ず「前提つき試算」と明記し、算出前提を併記する。顧客での実測効果・確定効果としては書かない)
6. リスクと対応(想定されるリスクと、それへの対策・条件)
7. 比較・検討経緯(他社を並べる場合、公表情報か「要確認」に留め、優劣を事実として断定しない)
8. 承認フロー・スケジュール(決裁プロセス・投資枠のタイミング。未確定は「要確認」)
末尾に「確定/試算/要確認の内訳」を短く付記し、人が検証すべき箇所(特に金額・効果・固有名詞)を列挙する。
## 注意事項
- 数値(金額・人数・期間・削減率など)は入力データにある値だけを使う。入力にない数値を作らない。触れられていない項目は「要確認」と書く
- 事実(入力にある確定情報)と、そこからの試算・推測を必ず分ける。試算には「前提つき試算」、推測には「推測」と明記し、根拠となる前提を添える
- 期待効果の定量値を、自社の一般的な訴求値であっても「この顧客での実測効果」「確実に出る効果」として書かない。前提と出所を明示する
- 他社(競合)の機能・価格・弱点を、根拠なく断定しない。公表情報でなければ「要確認」とする
- 固有名詞(企業名・製品名・担当者名)と金額は、そのまま提出せず人が検証する前提であることを末尾に明記する
- この資料は根回しや社内調整の「材料」を用意するものであり、決裁そのものを保証しない
- 顧客情報・案件情報を外部の生成AIに貼る際は、社外持ち出し・個人情報の扱いに注意するこのプロンプトを動かしてみる
プリセットされた依頼のまま「送信」を押すと、AIの応答がその場でストリーミング表示されます(架空データに対する収録済みの応答。生成AIは呼び出しません)。
AIに渡した入力データ(架空サンプル)
稟議書ドラフト(テクノアドバンス社 社内上申用・案)
1. 件名・申請概要
- 件名: 労務管理クラウド「ロウムメイト」導入の件(管理部・営業部での先行導入)
- 概要: 労務業務の属人化と月末の負荷を解消するため、勤怠・給与・労務手続きを一元管理するクラウド「ロウムメイト」を、まず管理部・営業部の約80名を対象に先行導入したい。
4. 費用内訳(抜粋)
項目 | 金額 | 備考 |
|---|---|---|
月額(80名) | 約3.2万円 | 提示条件(80名スモールスタート)による |
年額(80名・初年度) | 約38万円 | 同上 |
初期費用 | 要確認 | 標準は20万円〜。80名スタート時の適用額は未確定 |
全社(200名)フル導入時 | 初年度116万円 | 参考。今回申請は80名先行のため対象外 |
5. 期待効果(抜粋)
- (定性)労務業務の一元化により、担当者の属人化と月末の作業集中を緩和できる見込み。
- (前提つき試算・参考)ロウムメイトの一般的な導入では労務担当の月次工数が削減されたケースがある。ただしこれは提供元の参考値であり、弊社での実測効果ではない。実際の効果は先行導入の期間で測定して判断する。
(「申請理由」「導入内容」「リスクと対応」「比較・検討経緯」「承認フロー・スケジュール」と、末尾の確定/試算/要確認の内訳が続く。全文は runs/P059/run1.md)
注目したいのは、AIが自社資料にあった「工数削減」を、テクノアドバンス社での確定効果に変換していない点です。提供元の参考値と断り、「前提つき試算」として扱いました。金額もこの案件で提示された値(80名で年約38万円、フルで116万円、初期20万円〜)だけを使い、80名スタート時の初期費用は未確定なので「要確認」に留めています。競合ジンジワークスについても、佐藤部長の印象を弱点として断定せず「要確認」に置き、末尾で金額・効果・固有名詞を人が検証するよう明記しました。
カスタマイズのヒント
- 顧客の稟議フォーマットに寄せる: 顧客の稟議項目(目的/効果/費用/リスク/承認など)が分かれば「稟議書の前提」欄に貼ると、その並びで出力します。社内の様式に合っていると起案者がそのまま流用しやすくなります。
- 決裁者の関心から書き分ける: 「この稟議はコスト削減より事業リスク低減を重視する取締役会向け」と一文足すと、論点の重心が変わります。決裁者の関心事から逆算したいときは、関連プロンプト(P060)と併用すると効きます。
- 効果の出し方を絞る: 数値の独り歩きを避けたいときは「期待効果は定性のみで、定量は書かない」と指定すると、前提つき試算も落として定性だけにできます。逆に社内向けで概算が要るなら「試算は前提を明記したうえで幅で示す」と指定します。
よくある質問
AIが効果の数値を勝手に盛りませんか?
このプロンプトは、効果の定量値を書く場合に必ず「前提つき試算」と明記し、算出前提を添える設計です。自社の一般的な訴求値を、その顧客での実測効果や確定効果として書かないよう注意事項で縛っています。実行例でも、工数削減の数値は提供元の参考値と断り、確定効果としては扱っていません。それでも数値は独り歩きしやすいので、提出前の検証をおすすめします。
未確定の金額やスケジュールはどう扱われますか?
入力データにない、または未確定の項目は、金額を作らず「要確認」と出します。実行例では初期費用の80名適用額、データ移行スケジュール、取締役会の投資枠タイミングを要確認として残しました。確定していない数字を埋めないので、決裁後に食い違うリスクを下げられます。
そのまま顧客に渡せますか?
たたき台として渡す前提です。金額・効果・固有名詞は人が検証してから使ってください。また日本の稟議は稟議書そのものより社内の根回しが本体なので、この出力はその材料を整えるもので、決裁を保証するものではありません。顧客の稟議フォーマットに合わせた調整も前提になります。
