稟議・クロージング
値引き要求への切り返し(条件交渉)メールを作成する
商談で出た値引きや条件変更の要求に、頭ごなしに断らず、かといって出せない条件まで安請け合いもしない切り返しメールを作るプロンプトです。要求が出た商談の文字起こしとこれまでのメール履歴、そして自社が今回出せる条件を渡すだけで、事実と相手の主張を分け、越権しない条件付きの提案メールをコピペで用意できます。条件交渉 メール AIの実務での使いどころとして、価格の押し引きを価値と条件の対話に組み立て直せます。

必要データと準備
必要なのは、要求が出た商談の文字起こしとこれまでのメール履歴、そして自社が今回出せる条件の3つです。
- 商談の文字起こし: 値引きや条件変更の要求が出た回の録音・録画の書き起こし。相手が実際に口にした要求と、その背景として語ったこと(相見積り・社内事情など)がそのまま入っていると、要求と主張の切り分けが正確になります。
- メール履歴(古い順): 見積送付など、これまでのやり取り。前提の食い違いを防ぎます。無ければ「特になし」で構いません。
- 自社が今回出せる条件・出せない条件: これがこのプロンプトの肝です。あなたが今回提示してよい条件(例:年間一括なら初期費用を◯万円まで/導入伴走を初年度サービスで付与可)と、出せない条件・未承認の条件を書きます。ここに書いていない条件はAIも提示しないため、越権した口約束を防げます。承認が要るものは「未承認」「要確認」と明記してください。
分からないことは「不明」、まだ承認が下りていない条件は「未承認」と正直に渡すのが、捏造や安請け合いを防ぐいちばんの近道です。
プロンプト本文
あなたは、価格・条件の交渉場面で、相手からの値引きや条件変更の要求に対する切り返しメールを書く営業アシスタントです。
直近の商談で出た要求と、これまでのメール履歴をもとに、要求を頭ごなしに断らず、かつ自社が実際に出せる範囲を超えた約束もしない、1対1の条件交渉メールの文面を作成します。値引きの単純応諾ではなく、価値の再確認と、出せる条件との交換(条件付きの提案)を軸にしてください。
## 直近の商談の文字起こし(値引き・条件の要求が出た回)
{相手から値引きや条件変更の要求が出た商談の録音・録画の文字起こしをここに貼り付け}
## これまでのメール履歴(古い順)
{見積送付など、これまでのメールのやり取りを日付・送信者つきで古い順に貼り付け。無ければ「特になし」}
## 相手の要求(分かる範囲で。文字起こしから拾ってもよい)
{相手が求めている値引き・条件(金額・単価・初期費用・支払条件・スコープ・期限など)と、その理由・背景として相手が語ったことを記入。相見積り・社内事情などの「相手の主張」は、そのまま主張として書く}
## 自社が今回出せる条件・出せない条件(権限の範囲)
{今回あなたが実際に提示してよい条件と、提示できない条件を書く。例:初期費用は年間一括前払いなら◯万円まで減額可(部長決裁内)/単価の値引きは未承認で今回は出せない/導入伴走を初年度サービスで付与可、など。承認が要る・未確定のものは「未承認」「要確認」と明記する}
## 送信の基本情報(分かる範囲で。不明は「不明」)
{宛先の会社名・担当者名・役職、自分(差出人)の会社名・氏名、本日の日付}
## トーン・条件
{丁寧め/ややカジュアル等の希望、署名の要否。無ければ「標準(丁寧・簡潔)」}
## 出力フォーマット
1. 要求の整理
- 相手が出した要求を「金額/条件」ごとに箇条書き。商談・履歴からの短い引用を添える
- 要求の背景として相手が語ったこと(相見積り・社内での通しやすさ等)を、あくまで「相手の主張」として分けて書く。事実確認できていないもの(他社の見積内容など)を、こちらの事実として扱わない
2. 切り返しの方針
- 各要求について、「単純応諾しない前提で」どう返すかの方針を一言(例:出せる条件と交換する/価値を再確認して据え置く/持ち帰って確認する)。判断の根拠は「自社が出せる条件」に書かれた範囲だけに置く
3. 件名案(2つ)
- 交渉を前に進める、角の立たない件名を2案。それぞれ狙いを一言添える
4. 本文(そのまま送れる完成文)
- 要求を受け止める一文(頭ごなしに否定しない)
- 価値の再確認(相手が商談で評価していた点を、履歴・文字起こしにある事実から一つ二つ拾って言い直す)
- 出せる条件の提案(「自社が出せる条件」にあるものだけを、条件付き(give-get)の形で提示する。相手の要求にそのまま応じられない部分は、代替案または持ち帰りとして誠実に書く)
- 相手の社内での通しやすさに配慮した次の一手(稟議で使える整理を添える等、出せる範囲で)
- 次アクションと結び(相手が返事しやすい形で)
5. 送信前チェック(本文の外)
- 自社が出せると入力にない条件を約束していないか/相手の相見積り等を事実として断定していないか/[要確認]で残した箇所/越権していないか、を列挙する
## 注意事項
- 商談の文字起こしとメール履歴、「自社が出せる条件」に書かれた事実だけを根拠にする。書かれていない値引き・特典・支払条件・納期を創作しない
- 「自社が出せる条件」に無い、または「未承認」「要確認」とされた条件を、確定した提示として本文に書かない。約束できるのは入力で明示的に許可された範囲だけ。越権した安請け合いをしない
- 相手が語った相見積りや他社の価格・条件は「相手がそう言った」という主張であり、事実確認された数字ではない。本文で他社の価格を事実として引用したり、それを前提に自社を値引く根拠にしたりしない
- 事実(相手が実際に言った要求・こちらが実際に出せる条件)と、こちらの推測(相手が値引きを求める本当の理由など)を必ず分ける。相手の意図を決めつけない
- 曖昧な同意(「前向きに」「良ければ」等)を、確定した合意・発注意思として書かない
- 数値・固有名詞・日付は入力に出た値だけを使い、盛らない・丸めない・都合よく変えない
- 入力から確定できない情報(担当者名の表記、金額、決裁日など)が本文に必要な場合は、埋めずに [要確認:〜] と角括弧で残す
- 値引きを迫られても、相手を否定したり卑屈に全面譲歩したりしない。価値と条件で対話する、対等で誠実なトーンにする
- この文面は、すでに商談中の相手(既存の交渉相手)への1対1の返信を前提とする。面識のない相手への一斉送信には使わない
- この作成を外部の生成AIで行う場合、商談内容・相手企業情報・価格などの機微情報が含まれる。社外持ち出し・個人情報・秘密情報の扱いに注意するこのプロンプトを動かしてみる
プリセットされた依頼のまま「送信」を押すと、AIの応答がその場でストリーミング表示されます(架空データに対する収録済みの応答。生成AIは呼び出しません)。
AIに渡した入力データ(架空サンプル)
1. 要求の整理
相手が出した要求(事実・引用つき)
- 初期費用20万円の無償化を希望(佐藤様「取締役会でここは必ず突っ込まれます」7/15)。
- 月額単価の引き下げ(400円→350円)を希望(佐藤様「せめて350円まで下げていただけると社内で通しやすい」7/15)。
要求の背景として相手が語ったこと(相手の主張・当方は未確認)
- ジンジワークスの相見積りで初期費用を無償にできると言われている(佐藤様の発言。他社見積の内容は当方で確認していない)。
こちらの推測(要確認・断定しない)
- 値引きの主眼は金額そのものより「取締役会・稟議で通すための説明のしやすさ」にある可能性。本人が明言していないため決めつけない。
続きを見る(切り返しの方針・件名案・本文・送信前チェック)
2. 切り返しの方針
- 初期費用: 無償化は出せない。ただし「年間一括前払いなら10万まで」が出せる条件にあるため、条件付き交換(give-get)で提示。
- 単価350円: 出せない(400円据え置き、380円は未承認)。据え置きの代わりに、通常オプションの導入伴走を初年度サービスで付け、実質価値で応える。
- 他社の初期費用無償は相手の主張であり事実未確認。本文で他社価格を前提にした値引きはしない。
3. 件名案(2つ)
- 【ロウムメイト】お見積条件のご相談(初期費用・ご導入サポートの件):交渉を前向きに開き、身構えさせない。
- 取締役会に向けた費用面のご提案:相手の目的(社内通過)に寄せる。
4. 本文(そのまま送れる完成文)
件名: 【ロウムメイト】お見積条件のご相談(初期費用・ご導入サポートの件)
テクノアドバンス株式会社 管理部長 佐藤様 (CC: 田中様)
いつもお世話になっております。ロウムメイトの鈴木です。 先日はデモのお時間をいただき、また費用のご事情まで率直にお聞かせいただきありがとうございました。持ち帰って社内で相談してまいりましたので、ご提案いたします。
はじめに、田中様から「機能は現場に合っている」とのお言葉をいただけたこと、うれしく受け止めております。月末の勤怠締めが田中様に集中している状況を軽くする、という当初の狙いに沿ってお使いいただける手応えを持っています。
そのうえで、佐藤様からお話のあった費用面について、社内で調整できた範囲を率直にお伝えします。
- 初期費用について:一律の無償化はご用意がなく心苦しいのですが、初年度を年間一括でのお支払いとしていただける場合に限り、初期費用を20万円から10万円へお引きすることができます。
- 月額単価について:200名規模での400円は、伴走サポートを含む標準の価格として据え置きのお願いとなります。ただ、通常はオプションとなる導入時の専任担当による伴走を、初年度は追加費用なしでお付けします。切り替え期に田中様の手間が増えるご懸念をうかがっていましたので、その負担を実務面で軽くするご提案です。
取締役会で費用対効果をご説明いただく際、そのまま起案資料に添えられる「初期費用・月額・導入サポートの内訳と、属人化の解消で見込める効果」を1枚に整理したものをこちらでご用意します。必要でしたらお申し付けください。
なお、契約期間に応じた単価のご相談については、社内で別途確認が必要なため、この場での確定はいたしかねます。もしご関心があれば、あらためて条件を持ち帰らせてください。
まずは上記の初期費用・導入サポートのご提案で、取締役会に向けてお進めいただけそうか、お聞かせいただけますと幸いです。連携範囲(ペイロールデスクのバージョン確認)とあわせて詰めさせていただければと思います。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
ロウムメイト株式会社 営業部 鈴木 [要確認:差出人署名(会社住所・電話)/田中様のお名前の漢字表記]
5. 送信前チェック
- 初期費用10万は「年間一括前払いの場合、部長決裁内」で出せる条件として入力にあるもの。無償化は出せないため約束していない。
- 単価350円・380円は入力で「据え置き/未承認」のため本文で提示していない。契約期間連動の単価は「社内で別途確認」と持ち帰り扱いにし、越権の約束を避けた。
- 他社(ジンジワークス)の初期費用無償は佐藤様の発言(相手の主張)であり当方は未確認。本文で他社価格を事実として引用せず、それを根拠にした値引きもしていない。
- 田中様の「機能は現場に合っている」は評価の発言であり、導入決定・合意としては書いていない。
- 取締役会7/24は既知だが日程を断定せず「取締役会に向けて」とし、相手の都合として扱った。
- [要確認] は署名情報・漢字表記が入力から確定できなかったため。送信前に必ず埋めること。
注記(AIによる補足): 値引き要求はいったん受け止めつつ、無償化・単価350円という出せない条件には応じず、入力で許可された「年間一括での初期費用10万」「初年度の伴走無償付与」だけを条件付きで提示しました。他社の無償化は相手の主張として扱い、事実化していません。
カスタマイズのヒント
- その場で出せる条件が何もないとき: 「自社が出せる条件」に「今回は追加で出せる条件なし。社内確認の持ち帰りのみ」と書けば、値引きを断らずに受け止めつつ、価値の再確認と持ち帰りだけで誠実に返す文面になります。空手形を作らせないためにも、無いものは「無い」と書くのが安全です。
- 支払条件・スコープでの交渉に振るとき: 単価を動かせない代わりに、支払サイト・契約期間・提供範囲で調整できるなら、それを「出せる条件」に具体的に書きます。金額以外の変数で落とし所を作る文面に寄ります。
- 決裁者と現場担当が別のとき: 文字起こしに出た宛先(決裁者・現場担当)と、それぞれの関心(費用の説明責任/運用の負担)を状況に添えると、誰の何に応えるかを踏まえた本文になります。
- 落とし所の設計から始めたいとき: メールにする前に交渉全体のシナリオを組みたい場合は、先に関連プロンプトの落とし所シナリオ設計(P066)で方針を固め、その結論を「出せる条件」として本プロンプトに渡すと精度が上がります。
よくある質問
値引きを断ると失注しそうで怖いのですが、このメールで断ることになりませんか?
このプロンプトは「断る」メールを作る道具ではありません。要求はいったん受け止めたうえで、自社が実際に出せる条件(あなたが入力したもの)を条件付きで差し出し、相手が社内で通しやすい形に整えます。出せない条件については、否定ではなく代替案や持ち帰りとして誠実に扱う設計です。
相手が「他社はもっと安い」と言っています。それに合わせて値引く文面は作れますか?
相手が語った他社価格は「相手がそう言った」という主張であり、当方で確認された事実ではありません。このプロンプトは他社価格を本文で事実として引用したり、それを根拠に自社を値引いたりしないよう設計しています。値引きの提示は、あなたが「出せる条件」に書いた範囲だけに基づきます。
自分の裁量を超えた条件を、AIが勝手に約束してしまいませんか?
それを防ぐために、入力の「自社が出せる条件」に書かれた範囲だけを提示するのが本プロンプトの前提です。書いていない条件、「未承認」「要確認」とした条件は本文に出しません。加えて出力の「送信前チェック」で、越権していないかを自分で確認できるようにしています。承認が要るものは必ず「未承認」と書いて渡してください。
