稟議・クロージング
トライアル/PoCの条件設計と結果総括の下書きを作る
商談の文字起こしと自社の社内資料から、本契約への判断につながるトライアル/PoCの設計書と、終了後に埋めるだけで総括できる結果テンプレートを下書きするプロンプトです。設計時に「何を満たせば本契約か」を測れる形で決めるので、総括まで同じ物差しで進められます。

必要データと準備
必要なのは次の2つです。
- 商談の文字起こし(1件) … トライアル・PoCの話が出た商談の会話をテキスト化したもの。「何を確かめたいか」「どの範囲で試すか」「いつまでに」「その先の決裁は誰がどう判断するか」といったやり取りが含まれていると、設計の精度が上がります。オンライン商談の録音・自動文字起こしツールで用意できます(録音は事前に相手の了承を得てください)。文字起こしの取り方は商談文字起こしの共通ガイドも参照してください。
- 自社のPoC運営に関する社内資料 … 提供機能・価格・トライアルで出せる範囲・標準的な検証条件・過去の運営メモなどです。判定基準を自社が提供できる範囲に収めるための材料になります。定量効果の共通値がなければ、無理に用意する必要はありません(このプロンプトは無い数値を作りません)。
任意で、すでに決まっているPoCの前提(対象部署・期間・参加人数・使える環境・合意済みの成功条件)を書き添えると、設計がより正確になります。分からない項目は「不明」と書けば、その部分は「要確認」として扱われます。
プロンプト本文
あなたは、トライアル/PoC(試用・実証検証)の条件設計と結果総括を支援する営業アシスタントです。
以下の商談の文字起こしと自社の社内資料を読み、(A) 本契約への転換を判断できるPoCの設計書と、(B) PoC終了後にそのまま埋められる結果総括のテンプレートを作成してください。
設計書の「成功の判定基準」と総括テンプレートの評価欄は、同じ項目で1対1に対応させてください(設計時に「何を満たせば本契約に進むか」を先に決め、総括で「満たせたか」を同じ物差しで判定するためです)。
書かれていることだけを根拠にし、事実と、そこからの推測を必ず分けてください。
## 商談の文字起こし
{PoC・トライアルの話が出た商談の録音・録画の文字起こしをここに貼り付け}
## 自社のPoC運営に関する社内資料
{提供機能・価格・トライアルで出せる範囲・標準的な検証条件・過去の運営メモなどをここに貼り付け}
## 分かっているPoCの前提(任意)
{対象部署・期間・参加人数・使える環境・すでに決めてある成功条件など。分からなければ「不明」と書く}
## 出力フォーマット
1. PoC設計書(骨子)
- 検証の目的・確かめたい仮説: 相手が「これが確かめられれば前に進む」と考えている論点。文字起こしにあればそれを使い、なければ「要確認」とする
- 対象範囲(スコープ): 対象部署・業務・使う機能の範囲。広げすぎず、本契約の判断に必要な最小範囲にとどめる
- 参加者・体制: 相手側の実施担当・評価者、自社側の伴走担当。決裁者が誰かも分かる範囲で
- 期間・スケジュール: 開始〜終了と、途中の確認ポイント(中間レビュー)
- 成功の判定基準: 「何がどうなればPoC成功=本契約に進むか」を、できるだけ測れる形で3〜5個。各基準に測定方法をセットで書く。測れない/主観的すぎる基準には「測り方を要確認」と付す
- 測定方法・データの取り方: 各判定基準を何で測るか(既存のExcel・システムのログ・現場アンケートなど)。相手が同意した範囲のデータだけを使う
- 中止・見直しの目安: 途中で「これが起きたら一度立ち止まる」条件
- 本契約への転換条件: PoC成功時に、誰が・いつ・どの会議体で本契約を判断するか。文字起こしから読み取れた範囲で書き、書かれていなければ「要確認」とする
2. 判定基準のチェック(設計時の落とし穴)
- 上の判定基準のうち、測れない・主観的・期間内に結果が出ない恐れがあるものを指摘し、どう直すかを1つずつ書く
3. 結果総括テンプレート(PoC終了後に埋める枠)
- 1で定めた各判定基準を行にした表の枠を用意する(列: 判定基準 / 目標 / 実績〈PoC後に記入〉/ 達成・未達・要確認 / 所見)
- 総括コメントの型: 「達成した基準」「未達だった基準とその理由」「PoC中に新たに分かった課題」を書き分ける欄
- 本契約提案への橋渡しメッセージの下書き欄(PoC結果を踏まえて相手の決裁者に何を示すか。数値はPoC後の実績を入れる前提とし、ここでは作らない)
4. 未確認・要確認事項
- 設計に必要なのに文字起こし・社内資料から読み取れなかった項目を箇条書きで再掲する
## 注意事項
- 文字起こしと社内資料に書かれていることだけを根拠にする。目的・成功条件・決裁プロセス・期間などが書かれていなければ、勝手に決めず「要確認」とする
- 事実(相手が実際に言ったこと・資料にあること)と、そこからの推測を必ず分ける。推測には「(推測)」を付ける
- 効果の数値を創作しない。判定基準の「目標」に、根拠のない「○%削減」等を置かない。相手が口にした水準や社内資料にある値のみを使い、なければ「相手の実態を測ってから設定(要確認)」とする
- PoCの「実績」は検証後にしか分からない。総括テンプレートの実績欄は空欄(記入待ち)にし、まだ行っていない検証の結果を先取りして書かない
- 費用・金額・期間は文字起こし/社内資料に出た値だけを使い、丸めたり盛ったりしない
- 曖昧な同意(「良ければ」「前向きに」等)を、PoC合意や本契約の確約と解釈しない。迷う箇所は「要確認」とする
- 測定は相手が同意した範囲のデータで行う前提にする。相手の許可なくログや個人情報を集める設計にしない
- 競合の弱点を事実として断定しない。商談に出ていない比較は書かない
- これは社内・顧客と詰めるための下書き。外部の生成AIに商談内容・社内資料を貼る運用は、社外持ち出し・個人情報・情報管理の観点で社内ルールを確認するこのプロンプトを動かしてみる
プリセットされた依頼のまま「送信」を押すと、AIの応答がその場でストリーミング表示されます(架空データに対する収録済みの応答。生成AIは呼び出しません)。
AIに渡した入力データ(架空サンプル)
1. PoC設計書(骨子)
検証の目的・確かめたい仮説
- 目的: 月末の勤怠締めから給与ソフトへの手作業転記が、ロウムメイト導入で実際にどれだけ減り、現場(田中氏ら)が無理なく運用できるかを確かめる。[事実] 根拠:「月末の転記がどれくらい楽になるか、まず管理部で見てから広げたい」
- 仮説: 承認ワークフロー+有休残数の自動計算で、締め週の手作業転記がほぼなくなる。[推測](社内資料の機能記載と田中氏の期待発言からの想定)
対象範囲(スコープ)
- 対象部署: 管理部(人事労務)のみ。全社展開はPoC後に判断。[事実]「まず管理部で」
- 対象業務: 月末の勤怠締め〜給与ソフト「ペイロールデスク」への受け渡し
- 使う機能: 勤怠打刻・承認ワークフロー・有休残数の自動計算・給与ソフト連携
- 注記: v2系での有休連携の可否は未確定=要確認(スコープに直結)
成功の判定基準(測定方法つき)
- 月末の締め作業にかかる工数が、PoC前の実測値より減ること/測定: PoC開始前に現状の締め作業時間を実測し、PoC中と比較する。目標水準は相手の実態を測ってから合意する(要確認。現時点で「○%削減」等の数値は置かない)
- 勤怠Excelから給与ソフトへの手作業転記が発生しないこと/測定: 締め1サイクルで手作業転記の発生件数をカウントし0を目指す。v2系の有休連携可否により一部手動が残る可能性=要確認
- 現場2名が自社伴走なしで日次運用を回せること/測定: PoC後半の1週間、自社サポートなしで回るかを確認し、現場アンケート(運用しやすさを5段階)を取る
- 給与計算に必要な項目が正しく連携されること/測定: PoC期間の給与データを従来手順の結果と突き合わせ、差異の件数を確認する
(参加者・体制、期間・スケジュール、測定方法、中止の目安、本契約への転換条件の全文は runs/P068/run1.md)
続きを見る(判定基準のチェック・結果総括テンプレート・要確認事項)
2. 判定基準のチェック(設計時の落とし穴)
- 基準1(工数削減)は、PoC前の現状値を測っていないと「減った」と言えない。→ PoC開始前に現状の締め作業時間を必ず実測し、数値目標は現状を測ってから合意する(今は置かない)。
- 「月末の転記が楽になる」は主観的で判定できない。→「手作業転記の発生件数」「締め作業時間」という測れる形(基準1・2)に置き換えた。体感の楽さは基準3のアンケートで補う。
- 基準2はv2系の有休連携可否に依存する。→ 可否が未確定だと達成/未達を公平に判定できない。設計を固める前に技術確認(要確認)を先に済ませる。
- 期間が締め1回だけだと偶発要因を排除しにくい。→ できれば締めを2回通せる期間を確保する。
3. 結果総括テンプレート(PoC終了後に埋める枠)
判定基準 | 目標 | 実績(PoC後に記入) | 達成 / 未達 / 要確認 | 所見 |
|---|---|---|---|---|
1. 締め作業の工数 | PoC前の実測値より減(水準は要確認) | 記入待ち | 記入待ち | |
2. 手作業転記の発生件数 | 0件(v2連携可否により要確認) | 記入待ち | 記入待ち | |
3. 伴走なしで日次運用が回るか | 後半1週間・自社サポートなしで完走/アンケート | 記入待ち | 記入待ち | |
4. 給与連携の正確性 | 従来手順との差異0件 | 記入待ち | 記入待ち |
本契約提案への橋渡しメッセージ(下書き欄・PoC後に実績を入れて完成): 「管理部でのトライアルの結果、〔基準1〜4の実績を記入〕でした。とくに取締役会で懸念されていた『本当に定着して工数が減るか』については、〔基準1・3の実績〕という形で確認できています。この結果をもとに、全社展開の稟議に進めていただければと考えています。」 ※〔 〕はPoC後の実績を入れる前提。ここで数値は作らない。
4. 未確認・要確認事項
- PoC前の現状の締め作業時間(基準1の比較元)
- v2系での有休連携の可否(基準2・スコープに影響)
- 取締役会での本契約審議のタイミング(転換条件)
- 投資枠の金額と決裁基準
- PoC期間中に使えるデータ範囲についての相手の同意内容
注目したいのは、基準1の「目標」にAIが削減率の数字を入れなかった点です。PoC前の現状値がまだ測れていないため、「PoC前の実測値より減(水準は要確認)」にとどめ、他社事例の数字を流用していません。総括テンプレートの実績欄もすべて「記入待ち」で、やっていない検証の結果を先取りしていません。埋めることより、事実に反しないことを優先した挙動です。
カスタマイズのヒント
- PoCの型が決まっている場合に寄せる: 自社に標準のトライアル手順(期間・出せる機能・サポート範囲)があれば、「自社のPoC運営に関する社内資料」に貼ると、その制約の中で設計します。出せない機能を判定基準に含めてしまう事故を防げます。
- 決裁の階層に合わせて転換条件を精緻化する: 本契約の決裁が「現場評価→部長起案→取締役会」のように多段なら、「分かっているPoCの前提」にその流れを書き添えると、各段階で何を示せば通るかを分けて設計します。
- 総括を稟議材料につなげる: PoCの実績が出たら、総括テンプレートの結果を稟議ロジックのプロンプト(P060)や費用対効果の試算(P066関連)に渡すと、決裁者向けの上申材料に展開できます。橋渡しメッセージの下書きを起点にすると流れがつながります。
よくある質問
PoCの成功基準は、AIが勝手に決めてくれますか?
勝手には決めません。商談の文字起こしと社内資料に書かれた事実を根拠に、測れる形の判定基準を下書きしますが、目的や成功条件が語られていない部分は「要確認」とします。基準の「目標」も、相手が口にした水準や社内資料の値だけを使い、なければ「相手の実態を測ってから設定(要確認)」とします。最終的な基準は相手と合意して確定してください。
まだ実施していないので結果はありません。総括はどう使うのですか?
このプロンプトは総括の「枠」を先に用意します。設計で決めた判定基準がそのまま総括テンプレートの行になり、実績欄は空欄(記入待ち)です。PoCが終わったら実績を埋めるだけで、設計時と同じ物差しで達成・未達を判定でき、決裁者向けの橋渡しメッセージまで下書きが用意されています。やっていない検証の結果をAIが先取りして書くことはありません。
出力をそのまま相手や社内に共有できますか?
下書きとして使ってください。「(推測)」「要確認」と付いた箇所は未確定で、目的・決裁タイミング・連携可否などは相手や社内への確認が必要です。相手社内の言葉づかいに整え、未確定箇所を詰めてから共有してください。文字起こし・社内資料を外部AIに貼ることについては、社内のデータ取り扱いルールを事前に確認してください。
