育成・営業分析
組織横断で勝ち/負けパターンを抽出し型化する
受注・失注が混ざった複数案件の商談文字起こしと、SFA/CRMの案件データを貼るだけで、勝ちパターンと負けパターンを根拠の引用つきで抽出し、他のメンバーが再現できる行動の型に落とすプロンプトです。勝ちパターン 分析をAIで下ごしらえし、感覚論ではなく事実ベースでプレイブックの素材を作れます。

必要データと準備
必要なのは2種類のデータです。
- 複数案件の商談文字起こし(受注・失注の複数件):受注した案件と失注した案件の商談記録を、それぞれ複数件用意します。受注だけ、失注だけだと「差分」が出せないため、両方を混ぜるのが要点です。各案件の冒頭に「案件名(結果・相手・回次)」を付けると、AIが横断で比較しやすくなります。話者ラベルが付いていると精度が上がります。
- SFA/CRMの案件データ:対象案件の結果(受注/失注/進行中)、商談回数、リードタイム、競合の有無、失注理由メモ、決裁者への接触有無などです。SFAから該当案件をエクスポートして、1行1案件の表にして貼るのが手軽です。商談記録には出てこない「結果」や「日数」といった構造化された事実を、分析の土台に足せます。
受注と失注を同じ数だけ、かつ件数を多めに入れるほど、たまたまの1件に引きずられにくくなります。文字起こしの取り方は、商談文字起こしの共通ガイドも参照してください。
プロンプト本文
あなたは営業組織の勝敗パターンを分析するセールスアナリストです。
複数案件の商談記録とSFA/CRMの案件データを横断で読み、受注案件に共通する「勝ちパターン」と失注案件に共通する「負けパターン」を抽出し、根拠となった事実を引用しながら、他のメンバーが再現できる「型(プレイブックの素材)」に落としてください。
## 受注/失注のラベルと案件データ(SFA・CRM)
{SFA/CRMから対象案件を貼る。1行1案件で、案件名・業種・従業員規模・結果(受注/失注/進行中)・商談回数・リードタイム・競合の有無・失注理由メモ・決裁者接触の有無などがあるとよい}
## 商談の文字起こし(複数案件)
{受注案件・失注案件それぞれ複数の商談記録を貼る。各案件の冒頭に「案件名(結果・相手・回次)」を付ける。受注と失注が混ざっているほど差分を出しやすい}
## 特に知りたい観点(任意)
{例: 初回ヒアリングの深さ/決裁者の巻き込み/競合比較の切り返し/価格提示のタイミング。空欄なら全体を見る}
## 出力フォーマット
1. 勝ちパターン(受注案件に繰り返し現れた要素)
各パターンごとに次を記載:
- 内容
- 確認できた件数(例: 受注3件中3件)
- 根拠(該当案件と原文の短い引用、またはSFAの該当項目)
- 区分: [事実](記録にある発言・行動・数値)/ [推測](記録からの解釈)
2. 負けパターン(失注案件に繰り返し現れた要素。同じ形式で)
3. 勝ち/負けの差分(受注案件にはあって失注案件には無かった、または逆の動き。相関であり因果と断定しない)
4. 型化: 再現アクション・チェックリスト(次の商談でメンバーがそのまま使える行動リスト。各項目がどの勝ちパターンに対応するかを添える)
5. データの限界と要検証(サンプル数が少なく一般化できないもの、SFA数値にしか根拠がないもの、次に確かめるべき仮説を明記)
## 注意事項
- 評価は貼られた文字起こしとSFA/CRMデータに実際にある情報だけを根拠にする。書かれていないことを「やった/やらなかった」と断定しない。読み取れないことは「記録になし/要確認」と書く
- 事実(記録にある発言・行動・数値)と、そこからの推測・解釈を必ず分け、各項目に[事実]/[推測]を付ける
- 商談の発言(文字起こし)とSFA/CRMの構造化データ(結果・回数・日数など)は出所を分けて示す。片方にしか根拠がないものはその旨を書く
- 相関と因果を混同しない。「受注案件に共通していた」ことは「それが受注の原因だ」を意味しない。原因と言い切れないものは「共通点(要検証)」とする
- サンプル数が少ないパターン(例: 1件だけ)は一般化せず「仮説」「単発」と明記する
- 競合や特定メンバーを根拠なく断じない
- 引用は原文を短く抜き出し、盛ったり言い換えたりしないこのプロンプトを動かしてみる
プリセットされた依頼のまま「送信」を押すと、AIの応答がその場でストリーミング表示されます(架空データに対する収録済みの応答。生成AIは呼び出しません)。
AIに渡した入力データ(架空サンプル)
1. 勝ちパターン
- 課題を深掘りし、頻度・工数・担当者まで具体化している(受注2件中1件で明確に確認)
- 根拠: キャリアブリッジ「月にどれくらいのペースで、入退社の手続きは今どなたが何名で回されていますか」(文字起こし)
- 区分: [事実]。ただし受注2件のうち引用で確認できたのは1件のため、勝ちパターンというより仮説に近い(後述)
- 決裁者(役員・施設長)を商談の途中までに巻き込んでいる(受注2件中2件)
- 根拠: SFA「決裁者接触=あり」(受注2件とも)/キャリアブリッジ「担当役員も気にしていて、次回同席させます」、ブライトケア「決裁は施設長も入られますよね、次回ご一緒に」(文字起こし)
- 区分: [事実](SFAの接触フラグ・商談の発言の両方に根拠あり)
2. 負けパターン
- 決裁者に会えず、現場担当止まりで終わっている(失注2件中2件)
- 根拠: SFA「決裁者接触=なし」(失注2件とも)/丸和製作所「上を説得するのに時間が」に対し決裁者商談は最終まで未実施
- 区分: [事実](SFA)+[推測](「現場止まりが失注につながった」という解釈は推測)
- 課題や効果の合意より先に価格を提示している(失注1件で確認)
- 根拠: ノーススチール工業「勤怠から給与連携まで一気通貫でして。料金は1人月400円からです」(初回・ヒアリング前に価格提示)
- 区分: [事実](発言)。ただし1件のみのため一般化せず仮説(後述)
続きを見る(勝ち/負けの差分・型化チェックリスト・データの限界)
3. 勝ち/負けの差分
- 最も明確な差分は決裁者への接触の有無です。受注2件は「接触あり」が2/2、失注2件は「接触なし」が2/2で、SFAと商談引用の両方で一致しています。[事実]
- ただしこれは共通点であって、受注の原因と断定はできません(要検証)。決裁者に会えたのは、そもそも案件の見込みが強かった結果である可能性もあります。相関であり因果ではありません。[推測]
- 競合比較への対応: 受注のブライトケアはジンジワークスとの比較を「中堅向けの設定と伴走」で切り返してデモに進めた一方、失注のノーススチールは競合の「実績・安心感」に切り返せていません。ただし各1件ずつのため差分としては弱く、仮説にとどめます。[推測]
4. 型化: 再現アクション・チェックリスト
次の商談でそのまま使える行動として、現時点のデータから言える範囲で下書きします(各項目の妥当性は件数を増やして検証してください)。
- 現場担当だけで進めず、中盤までに決裁者(役員・部門長など)の同席予定を握る(→勝ちパターン「決裁者の巻き込み」/負けパターン「現場止まり」の差分)
- 相手が課題を口にしたら、すぐ製品説明に移らず「頻度・工数・担当者」を1つは深掘りする(→勝ちパターン「課題の深掘り」=要検証の仮説)
- 価格は課題と効果の合意ができてから提示する(→負けパターン「価格の先出し」=1件のみの仮説)
- 競合と比較されたら、機能量で張り合わず、中堅向けの設定の軽さ・導入伴走に絞って返す(→仮説。1件のみ)
5. データの限界と要検証
- サンプルが受注2件・失注2件の計4件しかなく、断定はできません。 ここでの「パターン」は傾向の仮説として扱ってください。特に「課題の深掘り」「価格の先出し」「競合切り返し」はいずれも1件でしか確認できておらず、一般化できません。
- 最も根拠が強いのは「決裁者接触の有無」の差ですが、これも相関であり因果は要検証です。決裁者に会えた案件が最初から有望だっただけ、という可能性を排除できていません。
- ノーススチールの失注理由はSFAメモ「競合の実績で決定」と価格先出しの発言はありますが、商談3件の記録からそれ以外の真因(機能不足・タイミング等)は読み取れません。要確認です。
- 丸和製作所は「稟議が通らず先送り」とありますが、稟議で何が引っかかったかはSFA・商談記録のどちらにも具体的な記載がなく、要確認です。
- 次に確かめること: 受注・失注をあと数件ずつ追加し、「決裁者接触」の差が件数を増やしても残るか、深掘りや価格提示のタイミングが本当に勝敗と結びつくかを検証してください。
カスタマイズのヒント
- 観点を絞る: 「特に知りたい観点」に「決裁者の巻き込み」「価格提示のタイミング」などを指定すると、その軸に集中して勝ち負けの差を見ます。プレイブックで強化したいテーマが決まっているときに有効です。
- セグメント別に回す: 業種・企業規模・競合の有無などでSFAを絞り込んでから入力すると、「中堅の介護事業者での勝ち筋」「ジンジワークスと競合したときの負け筋」のように、条件をそろえた比較ができ、たまたまの差を減らせます。
- 受注のみ・失注のみで深掘りする: 差分ではなく「受注案件だけに共通する型」を厚く出したいときは受注案件だけを、失注の真因を洗いたいときは失注案件だけを入れて、パターン抽出に振ることもできます(その場合は差分は出ません)。
よくある質問
案件は何件くらい入れればいいですか?
最低でも受注・失注を各2件ずつから使えますが、それだと出てくるのは傾向の仮説にとどまります。「たまたまその案件がそうだった」のか組織のパターンなのかを見分けるには、受注・失注をそれぞれ5件以上、できれば業種や規模をそろえて入れると精度が上がります。件数が少ないパターンは出力でも「仮説」と明記されるので、まずは手元のデータで試し、件数を足しながら検証してください。
出力の勝ちパターンを、そのまま営業のプレイブックにしていいですか?
下書きとして扱ってください。このプロンプトは相関と因果を区別し、少数サンプルを「仮説」と明記するよう指示していますが、出てきた差分が本当に受注の原因かは件数で検証する必要があります。「決裁者に会えた案件が受注した」は「決裁者に会えば受注する」とは限りません。件数を増やして再現するパターンだけを型として展開するのが安全です。
SFAのデータと商談文字起こしは、両方必要ですか?
商談文字起こしだけでも勝ち負けの傾向は出せますが、SFAの結果・商談回数・リードタイム・失注理由といった構造化データを足すと、「発言」だけでは分からない事実(何日かかったか、決裁者に会えたか)を根拠に加えられ、分析の確度が上がります。両方あるときは、出力でも出所(文字起こしかSFAか)を分けて示します。
