育成・営業分析
トップ商談群から営業の型・プレイブックを生成する
社内で見本になった受注商談の文字起こしと、いまのトークガイドやバリューマップを貼るだけで、フェーズ別の営業プレイブックのたたき台に整理するプロンプトです。効いたトークを根拠の発言付きで抜き出し、事実と推測を分けて、少数事例からの決めつけを避けた下書きを返します。

必要データと準備
必要なのは2つです。
- 受注した商談の文字起こし(複数件):社内で「型の見本になる」と評価されている受注案件の商談を、テキストにしたものです。オンライン商談の録音を自動文字起こしにかけて全文を貼るのが手軽です。同じ案件の複数回の商談(初回・デモ・クロージングなど)が揃っていると、フェーズごとの型が見えやすくなります。最低でも2〜3案件あると共通点を拾えます。1件だけだと「その担当者のクセ」と「再現できる型」の区別がつきにくくなります。
- 現行の社内資料:いま使っているトークガイド、バリュープロポジション、ICP(理想的な顧客像)、営業プロセスの定義などです。既存資料とのギャップを出すために使います。資料がなくても動きますが、その場合はギャップの項目が「新規に言語化した型」だけになります。
案件名や担当者名などのラベルが付いていると、どの商談のどの発言かをたどれるので、後で人が裏取りしやすくなります。文字起こしの取り方は、商談文字起こしの共通ガイドも参照してください。
プロンプト本文
あなたは、優秀な受注商談から再現可能な「営業の型(プレイブック)」を抽出する営業企画のアナリストです。
以下の受注商談の文字起こし(複数件)と現行の社内資料を読み、チームで共有できる営業プレイブックのたたき台を作成してください。
文字起こしと社内資料に書かれている内容だけを根拠にし、少数の事例から「これが正解だ」と断定しないでください。実際にあった発言・行動(事実)と、そこからのあなたの解釈(推測)を必ず分けてください。
## 受注商談の文字起こし(複数件)
{社内で型の見本になる受注案件の商談録音・録画の文字起こしを、案件名・回数のラベルを付けてここに貼り付け。2〜3案件以上あると共通点を拾いやすい}
## 現行の社内資料(任意・あれば貼る)
{いま使っているトークガイド・バリュープロポジション・ICP・営業プロセス定義などをここに貼る。なければ空欄でよい}
## 対象セグメント・条件(任意)
{どのセグメント向けの型を作りたいか(業種・規模・商材など)。あれば型の適用範囲を絞る材料に使う}
## 出力フォーマット
1. 型の全体像(勝ち筋の仮説)
- 入力した商談群に共通して見える勝ちパターンを2〜4個、仮説の形で。各仮説に根拠となった発言を1つ引用し、[事実](発言・行動)/[推測](解釈)を付ける
2. フェーズ別プレイブック(初回接触 / 課題ヒアリング / 価値提示 / 懸念・反論対応 / クロージング・次アクション。商談に登場したフェーズのみ)
- 各フェーズごとに次を記載: 狙い / 効いたトーク例(原文を短く引用)/ やってはいけないこと(今回の商談で避けられていた行動があれば)/ 次に進む条件
- 引用が見当たらないフェーズは「該当発言なし・要確認」と書き、創作で埋めない
3. 効いた質問・トークのライブラリ(受注商談で実際に場面が動いた質問・フレーズを、原文の引用つきで一覧に)
4. 現行社内資料とのギャップ(社内資料を貼った場合のみ)
- 資料通りに効いていた点 / 資料にないのに効いていた点 / 資料にあるが今回は使われていなかった点、の3つに分ける
5. 検証すべき仮説と追加で見るべきデータ(少数事例では決めきれない点。失注商談や別セグメントを入れて確かめるべきことを箇条書き)
6. この下書きの前提(分析した案件数・件数と、これが実測ではなく仮説である旨を1〜2文で)
## 注意事項
- 文字起こし・社内資料にある内容だけを根拠にする。書かれていない相手の内心・商談の成否・受注理由を断定しない
- 事実(実際にあった発言・行動)と、そこからの推測・解釈を必ず分け、各項目に[事実]/[推測]を付ける
- 少数の事例からの過度な一般化を避ける。2〜3件で見えた傾向を「必ず勝てる型」と書かず、「この事例群で見られた仮説」として提示する
- 引用は文字起こしの原文を短く抜き出す。言い換えたり、無い発言を作って埋めたりしない。根拠がなければ「該当発言なし・要確認」と書く
- CRMメモや担当者コメントは主観であり裏取り済みの事実とは限らない前提で扱う。断定できないこと、読み取れないことは「不明」「要確認」と書く
- 競合や他社を、根拠のない推測で否定的に評価しないこのプロンプトを動かしてみる
プリセットされた依頼のまま「送信」を押すと、AIの応答がその場でストリーミング表示されます(架空データに対する収録済みの応答。生成AIは呼び出しません)。
AIに渡した入力データ(架空サンプル)
1. 型の全体像(勝ち筋の仮説)
- 仮説A: 「大変」で止めず、頻度・工数・担当者名まで数字で握ってから先に進んでいる。 根拠: テクノアドバンス商談1「田中がほぼ一人で、月末3日は毎日2〜3時間残業ですね」、スマイルフーズ商談1「その集計、いま何名でどれくらい時間がかかっていますか」。課題を具体的な数字と人に落としてから価値提示へ移る動きが3案件で共通して見える。[事実](質問と回答は発言どおり)/これが受注の主因だという因果は[推測]
- 仮説B: 現場の運用キーパーソンを味方につけ、その評価を決裁の材料に変えている。 根拠: テクノアドバンス商談4「田中が現場で回せると言っているのが一番の材料になります」、キャリアブリッジ商談4「山口が問題ないと言うなら進めたい」。現場担当の納得が決裁者の起案を後押しする流れが2案件で見える。[事実](発言)/因果は[推測]
- 仮説C: 給与ソフト連携の懸念を、口頭の「できます」でなく相手の項目でつないだ画面で解消している。 根拠: キャリアブリッジ商談2→3で連携デモを実施、テクノアドバンスも連携懸念を商談3で画面提示により解消。[事実]
続きを見る(フェーズ別プレイブック/トークライブラリ/資料とのギャップ/要検証/前提)
2. フェーズ別プレイブック
課題ヒアリング
- 狙い: 「大変」という主観を、頻度・工数・担当者数の具体に落として、痛みの大きさを相手と共有する。
- 効いたトーク例: 「月末の残業、具体的にはどの作業でどれくらい発生していますか。担当は何名で回されていますか」(テクノアドバンス商談1)/「その集計、いま何名でどれくらい時間がかかっていますか」(スマイルフーズ商談1)
- やってはいけないこと: 相手が「大変」と言った直後にすぐ製品説明へ移ること(今回の受注商談ではいずれも一度深掘りしてから先へ進んでいた)。[推測](避けていた、と読めるが明示発言はない)
- 次に進む条件: 課題が具体的な数字と担当者名で共有できたら価値提示へ。
価値提示・懸念解消
- 狙い: 一般的な機能説明でなく、相手が言った具体的な痛み(連携の二度手間・多店舗集計)に紐づけて見せる。
- 効いたトーク例: 「その組み合わせは実績があります。次回、御社の項目でつないだ画面をお見せします」(キャリアブリッジ商談2)
- やってはいけないこと: 連携可否を口頭の「できます」で終えること。次回に画面で見せる約束に変えている。[事実]
- 次に進む条件: 現場キーパーソンが「これなら手戻りは減りそう」と運用イメージを持てたら次へ。
クロージング・次アクション
- 狙い: 現場の納得を決裁の材料として言語化し、次に用意するものを自分から引き取る。
- 効いたトーク例: 「見積・導入スケジュール・連携仕様書を整理してお持ちします」(テクノアドバンス商談4)
- 次に進む条件: 決裁者が社内で上げる意思を示し、次回提出物が握れていること。
3. 効いた質問・トークのライブラリ
- 「具体的にはどの作業でどれくらい発生していますか。担当は何名で回されていますか」(課題の定量化)
- 「その集計、いま何名でどれくらい時間がかかっていますか」(同上)
- 「次回、御社の項目でつないだ画面をお見せします」(連携懸念の解消)
- 「見積・導入スケジュール・連携仕様書を整理してお持ちします」(次アクションの自己引き取り)
4. 現行社内資料とのギャップ
- 資料通りに効いていた点: 「現状と困りごとを先に聞く」「連携は画面で見せる」は、受注商談でも実際に守られており効いていた。[事実]
- 資料にないのに効いていた点: 「現場キーパーソンの評価を決裁の材料として言語化する」動き(仮説B)は、現行トークガイドに明記がない。追記を検討する価値がある。[推測]
- 資料にあるが今回は使われていなかった点: バリュープロポジションの「導入伴走サポート」は、キャリアブリッジ商談4で決め手として触れられていたが、テクノアドバンス・スマイルフーズの抜粋では明示的に語られていない。全案件共通の武器かは要確認。
5. 検証すべき仮説と追加で見るべきデータ
- 仮説A〜Cは受注3案件のみから抽出しており、失注案件でも同じ動きがあったのに負けた可能性は排除できていない。失注商談群を入れて「勝敗を分けた差分」を確かめるべき。
- リードソースが3案件で異なる(紹介・インバウンド・展示会)。型がリードソースに依存するかは今回では判断できない。要検証。
- 「導入伴走サポート」が受注の決め手として全案件で効くのかは、1案件でしか明示されておらず不明。
6. この下書きの前提
本分析は受注3案件・商談抜粋のみを根拠にした仮説のたたき台です。実測された受注要因ではなく、失注群や母数を増やした検証を経て初めて「型」と呼べます。CRMメモや担当者コメントは主観を含む前提で扱っています。
カスタマイズのヒント
- 失注商談を足して差分で型を締める: このプロンプトは受注商談からの抽出ですが、「対象セグメント・条件」欄や別入力に失注商談も加えると、「受注と失注で何が違ったか」の差分から型の精度が上がります。勝敗の差分に特化したい場合は勝ち/負けパターン抽出のプロンプト(P093)と組み合わせてください。
- セグメント別に型を作り分ける: 「対象セグメント」欄に「製造業・300名以上」「人材業・急拡大フェーズ」などを指定し、その条件の商談だけを入れると、セグメント特有の型が出ます。全社共通の型と、セグメント別の型を分けて持つと現場が使いやすくなります。
- フェーズ定義を自社のプロセスに合わせる: 出力フォーマットのフェーズ名(初回接触/ヒアリング…)を、自社の営業プロセス(例: BANT確認→PoC→稟議伴走)の呼び方に置き換えると、既存のパイプライン管理と用語が揃い、そのまま運用に載せやすくなります。
よくある質問
商談は何件くらい入れればいいですか?
最低2〜3案件、できれば同じ案件の複数回の商談(初回・デモ・クロージング)が揃っていると、フェーズごとの型が見えやすくなります。1件だけだと「その担当者のクセ」と「再現できる型」の区別がつきにくく、出力も仮説として弱くなります。ただし件数を増やしても、これは仮説のたたき台です。確定させる前に失注商談との差分や母数を増やした検証を行ってください。
トップ営業の暗黙知を、本当に言語化できますか?
このプロンプトは、受注商談の文字起こしに実際に現れた発言を引用しながら、効いたトークをフェーズ別に整理します。本人が説明できない「なんとなくの勝ち方」を、根拠の発言つきで見える化するのが狙いです。ただし出力はあくまで文字起こしに書かれた範囲の再構成であり、発言に表れない間の取り方や関係性は拾えません。抽出された型を本人やチームと突き合わせて磨き込む前提で使ってください。
効果はどのくらい上がりますか?
営業の型化やAIによるトーク分析は各社が価値を打ち出している領域ですが、「型化で受注率が何%上がる」といった数値を独立した第三者が検証したものは多くありません。このページでも数字は主役にしていません。得られるのは、暗黙知が引用つきで言語化され、チームで共有・検証できる状態になることです。効果は自チームで型を運用しながら確かめてください。
