商談本番
相手の課題に響く導入事例をその場で選び提示
商談で相手が口にした課題に対して、自社の導入事例のうち「どれが一番響くか」を、事例集と商談記録からその場で選び出すためのプロンプトです。話すトークと、事例資料に添える一言まで用意します。営業の事例提示をAIで速く・的確にするための型です。

必要データと準備
2つの入力を用意します。
- 自社の導入事例集(社内資料): 1事例ごとに「企業属性(業種・規模)/解決した課題/打ち手/効果(あれば出所つき)/公開許諾ステータス」がそろっていると精度が上がります。特に公開許諾(社名可か匿名か)は、相手に見せてよい範囲を左右するので必ず入れてください。
- 今回の商談の文字起こし1件: デモや説明の回の録画・録音を文字起こししたもの。相手が課題を口にした発言が入っているほど、選定の根拠が明確になります。文字起こしの取り方は共通ガイドを参照してください。
いずれも顧客の実データを含みます。社外の生成AIに貼る運用は、社外持ち出し・個人情報の扱いに注意し、社内で許可された環境で行ってください。
プロンプト本文
あなたは営業商談を支援するアシスタントです。
自社の導入事例集と今回の商談記録を読み、相手の課題に最も響く事例をその場で選び、口頭で話せる形と資料に添える形に整えてください。
## 自社の導入事例集(社内資料)
{導入事例集をここに貼り付け。1事例ごとに 企業属性(業種・規模)/解決した課題/打ち手/効果(あれば出所付き)/公開許諾ステータス を含める}
## 今回の商談の文字起こし(1件)
{商談の録画・録音の文字起こしをここに貼り付け}
## 出力フォーマット
1. 相手の課題(文字起こしから、事例と結びつく課題を3〜5個。根拠となる発言を短く1つ引用)
2. 響く事例の選定(事例集から2〜3件。相手のどの課題に、なぜ響くかを対応づける。似ている点と違う点を正直に併記)
3. 提示トーク(選んだ事例ごとに、そのまま口に出せる2〜3文。「御社と同じで〜」の型。数値は事例集に出所があるものだけ使う)
4. 資料に添える一言(事例資料を送るときのメール・チャットの添え文を1本)
5. 相違点と要確認(相手と事例がずれている点、外部に見せる前に確認すべき点)
## 注意事項
- 事例集に書かれている事実だけを使う。事例集にない企業名・効果・数値を作らない
- 相手の課題は文字起こしにある発言のみを根拠にする。書かれていない課題を推測で足さない。推測を書く場合は「推測」と明示する
- 相手の状況と完全に一致しない事例は、一致しない点を「相違点」に必ず書く。似ていない事例を無理に選ばない
- 響く事例が事例集にない課題には「該当事例なし」と書き、当てはめを作らない
- 効果を語るときは、事例集に数値と出所がある場合のみ数値を引用し出所を併記する。なければ定性で語り、断定しない
- 顧客名・ロゴを相手に見せる場合は、各事例の公開許諾ステータスに従う。許諾が匿名までなら社名を出さない
- 商談の文字起こしや事例集を外部の生成AIに貼る際は、社外持ち出し・個人情報の扱いに注意するこのプロンプトを動かしてみる
プリセットされた依頼のまま「送信」を押すと、AIの応答がその場でストリーミング表示されます(架空データに対する収録済みの応答。生成AIは呼び出しません)。
AIに渡した入力データ(架空サンプル)
1. 相手の課題(文字起こしより)
- 打刻修正の承認フローが手間:田中「特に打刻修正の承認フロー…を見たいです」
- 有休残数を手計算している:田中「今は問い合わせのたびに私が計算していて」
- 既存の給与ソフト『ペイロールデスク』との連携可否:田中「うちの給与ソフト、いま『ペイロールデスク』を使っているんですが、これとの連携はどうなりますか」
- 月末締めの負荷(※前回ヒアリングの内容を今回営業が言及):営業「前回うかがった月末締めの負荷」
- 稟議・投資枠のタイミング:佐藤「取締役会に上げる形になる」「次の四半期の投資枠のタイミングを社内で確認」
- 規模感の不安(競合は自社に大きすぎると感じている・一部推測):佐藤「ジンジワークスさんも一応見てはいる…うちには少し大きいかな」
2. 響く事例の選定
事例B(人材紹介・従業員90名/社名掲載可)
- 響く課題: 打刻修正の承認フロー、有休残数の手計算
- 似ている点: 急拡大で有休残数の問い合わせ対応が人事担当に集中していた状況。打刻連動の残数自動計算と修正承認アラートで担当の負荷を仕組みで受けた打ち手が、田中さんの困りごとと同じ構図
- 違う点: 業種が人材紹介で、テクノアドバンス(SaaS)とは異なる。従業員規模も90名で200名より小さい
続きを見る(事例A・D、提示トーク、添え文、相違点)
事例A(同業SaaS・急拡大/匿名のみ)
- 響く課題: 月末締めの負荷、給与ソフト『ペイロールデスク』連携
- 似ている点: 急拡大中のSaaS企業で入退社と勤怠集計が管理部に集中。『ペイロールデスク』とAPI連携した実績があり、テクノアドバンスの連携懸念に重なる
- 違う点: 公開許諾が匿名まで。社名・ロゴは出せないため「同業のSaaS企業」までの言及に留める
事例D(広告・従業員180名・東証グロース/社名掲載可)
- 響く課題: 稟議・投資枠のタイミング、規模感の不安
- 似ている点: 上場後の管理体制強化としてバックオフィスDXを進め、取締役会の投資判断を経て導入。テクノアドバンスと同じ上場グロース・取締役会稟議という意思決定構造
- 違う点: 業種が広告で、導入の主目的(体制強化)は近いが、労務課題の中身まで同一とは事例集から確認できていない
(事例C=製造業400名は、紙・Excelからの脱却が主眼で、相手の課題である給与ソフト連携・有休自動計算とのつながりが弱いため今回は選ばない。無理に当てはめない)
3. 提示トーク
事例B:
「御社と同じで、急拡大で有休残数の問い合わせが人事のご担当に集中していた会社があります。打刻と連動して残数が自動で出るようにして、修正申請も承認者にアラートが飛ぶ形にしたところ、田中さんが今されている手計算の部分を仕組みで受けられるようになりました。この会社は事例公開の許諾をいただいているので、詳しい流れを資料でお渡しできます」
事例A:
「連携のところは、御社と同じSaaSで急拡大中の企業さんで、ちょうど『ペイロールデスク』とAPI連携した実績があります。バージョン差でできる範囲が変わる点も含めて対応した例なので、御社の情シス確認が済み次第、その事例をふまえて連携仕様書をご用意できます。※こちらは社名を出さないお約束なので『同業のSaaS企業』としてご紹介します」
事例D:
「投資枠と取締役会の件では、同じ東証グロースで、上場後の体制強化としてバックオフィスのDXを進め、取締役会の投資判断を通して導入された会社の事例があります。社内で上げていただくときの進め方の参考になると思うので、あわせてお持ちします」
(効果の数値は、社内の事例集に案件横断で共通化された指標がないため、今回は定量値を口にせず定性で伝える。数値を求められたら「共通の実測値としては整備できていないため、御社の運用に合わせた試算を別途お出しします」と返す)
4. 資料に添える一言(メール/チャットの添え文)
「本日はデモのお時間をありがとうございました。田中さんが気にされていた有休残数の自動計算・修正承認まわりで参考になりそうな事例(人材紹介のB社さま・社名公開OK)と、上場後の体制強化として取締役会の投資判断を通して導入された事例(広告のD社さま)を添付します。給与ソフト連携については、同業SaaSでペイロールデスク連携をした匿名事例をもとに、バージョン確認後に仕様書をご用意します。」
5. 相違点と要確認
- 事例Bは業種・規模がテクノアドバンスと異なる。「同じ状況」と言い切らず「近い構図」として扱う
- 事例Aは匿名事例。社名・具体を出さず、相手に見せる資料でも社名部分をマスクする
- 事例Dの労務課題の中身は事例集に詳細がなく、テクノアドバンスと同一と確認できていない。稟議プロセスの近さに絞って使う
- ペイロールデスクの連携可否は相手のバージョン未確認(田中さん「あとで情シスに確認します」)のため、事例Aを根拠に「連携できます」と断定しない。確認後に仕様書で回答する
- 各事例を相手に提示する際は公開許諾ステータス(B・D=社名可/A・C=匿名)に従う。最新の許諾は社内の事例管理台帳で要再確認
カスタマイズのヒント
- 業界を変える: 事例集の企業属性を自社の顧客業界にそろえると、「同業の事例」が選ばれやすくなります。逆に事例が少ない業界では、AIが「該当事例なし」と正直に返すので、共通する課題軸(規模・急拡大・上場後など)で選ぶよう出力フォーマットに一言足す
- 提示の場面を変える: デモ中の口頭提示ではなく、後追いメールでの提示なら、出力4の「添え文」を主役にして、トークを削る指定に変える
- 決裁層向けに寄せる: 相手が経営・決裁層なら、事例Dのような「意思決定構造が似た事例」を優先する指定を足す。現場担当が相手なら、事例Bのような「日々の作業が軽くなった事例」を優先する
よくある質問
事例集がきちんと整理されていなくても使えますか。
使えますが、精度は事例集の粒度に依存します。最低限「業種・規模/解決した課題/打ち手/公開許諾」がそろっていると、相手の課題との対応づけが正確になります。効果の数値は無理にそろえず、ない場合は定性のままで問題ありません。むしろ、ない数値を作らせないことがこのプロンプトの狙いです。
相手にぴったりの事例が社内にないときはどうなりますか。
その課題には「該当事例なし」と返すよう設計しています。似ていない事例を無理に「御社と同じ」と当てはめないための仕様です。該当がない場合は、規模や急拡大といった共通の課題軸で近い事例を出すか、事例に頼らず課題への打ち手そのものを話す方向に切り替えてください。
その場のデモ中に本当に間に合いますか。
事例集を毎回コピペする単発運用だと、貼り付けに時間がかかります。デモ前に文字起こし(前回まで)と事例集を渡して出力を用意しておく使い方が現実的です。日常的にその場で引きたい場合は、社内の事例DBをコネクタで参照させる連携構成にすると、商談中でも呼び出しやすくなります。
